Let's take a rest

ランドセルや日々のアレコレをお話ししてます。休憩気分でご覧ください。

Hello.

What do you say to having a coffee break?

変わらないことを恐れると~ランドセルのデザイン~

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このランドセルは2013年から販売している

イナズマのデザインステッチが入ったランドセルです。

 

女の子のハートリボンステッチが好評だったこともあり、男の子の定番デザインのモデルも欲しいと思っていて、オーダーデザインの中から抜粋されました。本当はスターのステッチと悩んだのですが、他店にスターモチーフやデザインが多かったことと、より男の子らしい方が「お子様が喜んでくれるだろう」とこちらを選びました。

 

結果、お子様は喜んでくれました。

 

男の子は、女の子よりも比較的デザインに対しての興味が少な目です。コレもアレもと悩むよりもベースの背負いたい色と言うものが、ある程度決まっている中で話が進むことが多いです。そんな中で、このデザインは男の子の目を引き、たくさんのお子様に背負ったり、喜んだりしてもらえました。私の”男の子が喜ぶモノを作りたい。”という目的は達成されました。

ですが、1つ不安に思っていたことも的中します。

 

お母様が困られる。

 

これはある程度予想していたことでした。

その当時、男の子のお子様を持つお母様の多くは”男の子だから”と言うことから

「シンプルでいい」

「丈夫ならいい」

「黒でいい」

「お買い得であればいい」

など、女の子様に比べデザインやカラーが少ないこと、女の子様と扱いが異なることなどを経験から知っておられるので、考え方もシンプルな方が多かったのです。

もちろん私もシンプルになるようデザインしましたが違うのです。お母様が求められるシンプルにステッチデザインは不要なのです。それはわかっていたのです。お母様が困られるだろうな、と言うのを分かったうえで子供の喜びを優先させました。

 

なので、やりとりを見るのがつらかった。。。

 

本当にシンプルでいいと思っているお母様には、子供っぽく映ってしまうイナズマステッチ。息子が気に入っているならと、八の字眉と苦笑いで購入決定されているのを見ると『( ̄▽ ̄;)アハハ』と思っていました。ですが、買ってもらえた息子さんはニコニコです。そんな顔を見れて私もニコニコです。心の中ではやや困った顔のお母様に何度もごめんねと思っていました。

 

この時期に展開した中にもう1つ人気のものがありました。

それがコチラ↓

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当時、私にはまだ子供はいませんでしたが、妄想の中の子供に贈る一品を形にしました。黒じゃなく、わずかの色差を楽しめる大人っぽい配色!そんなのがいい!子供の意見は関係なく(無視して)自分の好みで作った配色。これは完全に個人的趣味でしたが、追加生産分も予約で埋まってしまった、想像以上の人気でした。

 

この数年後…

コンビカラーのシリーズは大変人気となりました。

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理由として考えられるのは、女性も受け入れることのできる落ち着いた色使いが、デザインを拘らなかったお母様に受け入れられた。私と同じような好みのお母様が以外に多かったのではと思っています。ただこの配色のタイプ、お子様の反応は「これがいい!」ではなく「これでいい」と言うイメージでした。 (やっぱり(´-ω-`))

この結果人気があり売れていたタイプを増やし、男の子様が喜んでいた印象はあれど、お母様の反対などで購入率の下がってしまったイナズマステッチは縮小となりました。

 

イナズマステッチから他商品へ変える事を選んだのです。

 それは”変わらないこと”を恐れた瞬間です。

 

縮小した結果、昨年は数量限定でWEBと店頭のみで販売していたイナズマステッチ。少なかったので早々に完売していました。

 

その後…何名も来られる

「アレ(イナズマ)はないんですか?」

「お兄ちゃんと同じの見に来たんですけど?」

聞かれるたびに、起こる後悔の念・・・

もっと作っておけばよかった。

コンビのデザインとは全然系統が違うのに。

喜んでもらえたのに。

お兄ちゃんと同じの背負って、お揃いで通学してほしかったな。

 

もう少し続けてみよう。

終了の予定だったイナズマステッチでしたが

より使いやすくし販売することを決めました。

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2018年RENEWAL販売します。

素材は傷に強いタフロックです。ステッチデザインはとてもシンプルです。(糸色により目立ち具合が異なります。)他社様のデザインが入ったランドセルと比較しても、派手と言うことはありません。

お母様、もしお子様が背負いたいとおっしゃったら、是非ご試着させてあげてください。お気持ちは色々あれど、お子様が使うものです。笑顔でこれがいいとおっしゃったら前向きに検討してください。大人っぽいものや本当にシンプルなものと比較するから子供っぽく見えるだけで、そんなに子供っぽくもないですよ。

たくさんの男の子に背負ってもらえますように。

 

ではまた(・ω・)ノ

 

変わらないこと、変わること、~ランドセルのデザイン~

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このデザインは私がノムラにやってきて

はじめてデザインしたランドセルの中の1つです。

 

デザインを入れたランドセルと言うものが、特別なブランドとしてではなく、世に広まりだした2008年。ノムラもお客様のニーズに応えようとデザインランドセルの企画がはじまります。現在もお願いしている工場様からの当時の指定はステッチデザインであることでした。

その頃はオーダーランドセルも同時に進行する予定となっており、何パターンかの候補を出しました。花、ハート、星など。お子様が好きそうなものを考え並べました。

デザインするときに私が心がけていたのはただ1つ。

 

シンプルであること。

 

デザインを拘るということは、個性や特徴を生むということです。女の子らしくをより強調しようとすれば、キラキラしたストーンやお姫様のようなデザインで、どんどんかわいくできます。当時 子供用のファッションバッグをデザインしていた私には、何をすれば少女達が喜ぶ、トキメクものができるのかは勉強していて、分かっていたことでした。かわいいの中でも少女達には個性があります。キュート、フェミニン、ラブリーと呼び方を変えるように、彼女たちの選ぶ色、形、モチーフは少しづつ違います。

それが 個性

少女の戦士たちでもそうですよね、かわいかったり、大人っぽかったり、ボーイッシュだったり、とても個性的。小さくても彼女たちは拘りのある女性なのです。

でもその多くは一過性のものです。ファッションとは流れていくもの。成長と共に好きな物は変化します。敏感で変化を好み、お洋服や髪形を変える彼女たち。そんな中でも背負い続けるのがランドセルです。

6年間は長いです。だから・・・

 

変わっていく外見や心を邪魔しないものを作りたかった。

だから、シンプルに。

それでも1年生。

ちゃんとかわいくしたかった。

だから女の子の好きなハートとリボンをくっつけて。

普通のランドセルより少しかわいい。そのくらいで。

もっともっとデザインがこだわったランドセルが周りに増え主流になったら、もうやめようか?となるかなと思っていましたが愛され続いています。嬉しいことです。

 

そして、私の思うこのランドセルへの
お母様からの ”一番” と感じる誉め言葉

このくらいがちょうどいい。

パッと聞くと誉め言葉っぽくないですが、お母様が手に取った時、派手さを感じず、成長を思い浮かべても邪魔にならなそうと感じたから出る言葉。『ちょうどいい。』そう思っていただけると本当に嬉しいです。

 

ちょうどいいを信じて8年目。

機能やサイズは年々変化する中、デザインを変えず貫くということは

本当は怖いんです。

少し前にランドセルがとても華美な物ばかりの年がありました。時代遅れになってしまったのではと不安になります。変わらないことって本当に怖いんです。でもその年も変わることなく、このデザインは売れていました。ランドセルはファッションとして流れるものとは違う所にいると言うことを再認識させてくれた年でした。

 

そしてデザインを信じて変えないでよかったと思わせるのはこの言葉

『お姉ちゃんと同じのを買うの。』

下のお子様がおられると「〇年後に来ます。」と言って帰られる方が多いのですが、それを聞くと、今日は満足していただけたのだな。と嬉しくなります。そして数年後”その時”が来たのだなと感じさせてくれるのが『お姉ちゃんと同じ』という言葉。大好きなお姉ちゃんが選んでいた時は、自分も欲しいけどまだ買ってもらえない。やっと買ってもらえる!と言う気持ちが伝わるほど、入ってきてランドセルの棚へ一直線で進む女の子。

続けていてよかった瞬間です。

 

長くなりましたので、今日はこのへんで。

 

 

ではまた(・ω・)ノ

3月…

本日は3月3日ひな祭りですね。

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何かと忙しい時期ですが、お母様方は娘さんのために雛人形を出しておられるのでしょうか?スペースもない、時間もない、と出しておられないのならば、今週末は近隣のひなまつりイベントへ足を運んでみてはいかがでしょう。

www.walkerplus.com

私の実家では、お雛様は旧暦(4月3日)でしたが、祖母と飾りつけをし、お膳に盛られた料理を、お雛様の前で妹と食す。というのが小さい頃のひな祭りの思い出です。メニューはいたって普通に卵焼きとか?お吸い物とかでしたが(今のような雛ケーキや可愛らしいものではない)、特別な日を感じられるいい思い出です。

 

そして3月と言えば、大きなイベントがもう一つ、卒業です。

6年間背負ったランドセルもあと少しで終わり。

きっと、お父様お母様は感慨深いことでしょう。

お子様が更に成長される、一つの区切りと言ったところでしょうか。

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卒業後のランドセルはどうされますか?

ノムラではミニランドセルを、させていただいているのですが(ミニランドセル)皆様その他にも色々な方法で”ランドセルのその後”をむかえていらっしゃるようです。

mamanoko.jp

その他、女の子様はランドセルに寄せ書きなども多いようですね。寄せ書きに関してはご家庭や学校により考え方が違うようなので”ランドセルに寄せ書きしないでほしい”お母様はお子様に確認をとっておくのもいいかもしれません。

 

また、ランドセルにかかわらず物というのは、使用中より、一旦使用をやめたことにより劣化が進む場合があります。丁寧に閉まったつもりでも、空気がこもったり、乾燥によるひび割れ、湿度による革部分のカビなどの見えない間にダメージがでてきます。

 

リメイクなどを検討される場合

閉まっておかず早めに依頼されるほうが、ダメージが少なく利用できる面積が多くなるかもしれません。

決まっていないのでやはり収納

と考えておられる場合は、しっかりと陰干しをし、乾燥剤もしくは新聞紙を1~2枚入れて不織布の袋に入れておかれるといいかと思います。※ただし新聞紙は中の素材によりインク移りがおこる場合がありますので、ご注意ください。

乾燥材や不織布は100円均一でも購入可能です。竹炭などでしたら消臭効果もあるので尚いいかと思います。バッグ用でなくてもシューズ用でもいいですよ。

 

ちなみに

実用的な物へのリメイクをご希望で大阪市内の場合は、皮革製品製造・販売店をされている【Ricco】様がランドセルリメイクをされています。

riccoleather.jimdo.com

代表の柚野様は3児の母をしながら、革の職人として色々なオーダー品を日々作製されています。近隣の方でリメイクご希望の方は、せっかくの思い出の品です。是非ご相談しながら新たな形を創られてはいかがでしょう?

このような作品をつくられています。

工房には革の材料も多数お持ちのようです。
お好みの革を選び、ランドセルにプラスして、本当に自分のオリジナルにアレンジして作っていただくのも素敵ですね。
 
あと僅かのランドセル生活
たくさんの思い出を詰めて
卒業を迎えていただければと思います。 
 
 ではまた(・ω・)ノ